オンプレミスクラウド Nextcloud の導入

Nextcloud Hub 30.0.0

Nextcloud はオープンソース1のオンラインストレージで、オンプレミス2およびクラウドのいずれにも構築でき、クラウド上のオンラインストレージに比べて、低コストで運用が可能といわれている。2020年1月の Version 18 からは「Nextcloud Hub」と称し、単なるストレージサービスではなくストレージ上のデータを活用したコラボレーションサービスとして、オフィスファイルのリアルタイム編集やチャット,ビデオミーティングなどの面にも進化している。Nextcloud は、2016年6月に ownCloud からフォークされたが、その後もオープソースであることを重視し、エンタープライズ版との機能差は設けていない。

コアサーバーで Nextcloud を動かす

ownCloud での不満は、クリックでファイル内容が表示されないことで、最近のアプリとしては物足りなく感じた。App導入にも制限があるようで、これらのことが Nextcloud への移行を決定させた。Nextcloudのコアサーバーへの導入は、ownCloud 同様、簡単で、[新コントロールパネル]=[ツール]→[アプリインストール]と進み、Nextcloudインストールマニュアルに従えばよい。ただし、コアサーバーに用意されているNextcloud は「Nextcloud Hub 30.0.0」なので、現行コアサーバー(2024年9月)の標準PHPバージョン7.4.33にはインストールできない。<PHP 8.1 to 8.3.99>が必要と言われ、PHPの更新が必要になるが、不慣れからここで手間取った。マニュアルではわかり辛いが、PHPのバージョンを変更するには、[新コントロールパネル]=[ドメイン]-[ドメイン管理]で、対象ドメインをクリック後、「ドメイン別PHPバージョン」をクリックして選択するだけでよい。この「ドメイン別PHPバージョン」欄はマウスを置いてもクリックできないように見えるが実はクリック可能だ。繰り返すが、[新コントロールパネル]=[Web]-[標準PHPバージョン] および [新コントロールパネル]=[Web]-[PHP設定] には触ってはならない。インストール成功後、指定されたURLに移って、ログインすると、すぐにクラウドストレージを使ったファイル共有が使えるのは ownCloud と同じだ。

ユーザー追加と共有設定/マルチメディアを楽しむ

Nextcloud のユーザーは、「Nextcloud管理者」(adminグループに属するユーザー)、「グループ管理者」(グループの管理者)および一般ユーザーに分けられる。まずは Nextcloud管理者でログインして個別ユーザーを登録し、必要なら共有設定へと進める。その後の操作は一般のクラウドと同じだが、Nextcloud は ownCloud とは違い、プラグインなしで音楽や動画再生ができるので、インストール後ただちにマルチメディアが楽しめるのは嬉しい。

「信頼できないドメインを介したアクセス」と表示された場合

Nextcloud をコアサーバーにインストールして利用していると、「信頼できないドメインを介したアクセス」と表示されて、ログインできない場合がある。このキーワードでネット検索すると、config/config.php を修正するという答えが多数見つかるが、レンタルサーバーの場合はどうやら事情が異なるようだ。具体的には、「www.ドメイン名」(ブラウザが気を利かせて変更することがあるようだ)や「IPアドレス」でアクセスした場合に起きるようで、Nextcloud をインストールしたドメインと異なると判断されているようだ。

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  1. FLOSS(Free/Libre and Open Source Software) ↩︎
  2. 自社専用のサーバーやデータセンターに導入することで、確実にデータを守り、自社のセキュリティ指針に沿ったファイル共有システムの安全な運用が実現でる↩︎