ownCloud 10
ownCloud(2024年9月現在 Version 10)はオープンソースで開発されているオンラインストレージで、無償の「Community」、有償サポートのある「Standard」、機能強化した有償の「Enterprise」が公開されている。無償版でも、Webサーバさえあれば、個人でクラウドストレージを使ったファイル共有が実現できる優れたソフトウェアで、セキュリティ面でも進化を続けている。Version 7までは SSL証明書を使った認証とパスワード認証だけだったが、Version 8.1 からはサーバーサイド暗号化機能が追加され、Version 10 では二要素認証もできるようになった。自宅サーバーへの導入を検討したが、手順が複雑そうで躊躇していた。
コアサーバーで ownCloud を動かす
今回、新たにコアサーバーを契約、「新コントロールパネル」(サーバー管理パネル)をチェックしていて、「ツール」→「アプリインストール」に、ownCloud があることに気付いた。そこで、自宅サーバーではなく、コアサーバー上で ownCloud が利用できるかどうか確認するため、ownCloudインストールマニュアルに従って、コアサーバーへの ownCloudインストールを実施した。インストールは簡単で、説明ページ通りで完了、インストール中に設定が必要だったのは、「管理ユーザー」と「同パスワード」「同メールアドレス」だけだった。インストール後に指定されたURLに移って、ログインすると、すぐにクラウドストレージを使ったファイル共有が使えたのは感動した。
ユーザー追加と共有設定
ownCloud に管理ユーザーでログインした後、右上のプルダウンメニューから「ユーザー」を選択して、個別ユーザーを登録するのだが、デフォルトではパスワード欄が表示されず操作に手間取った。左下の「設定」メニューの「set password for new users」が有効になっていないと、パスワード欄が表示されないことに、後で気付いたが、間抜けな話だった。個別ユーザーを「追加」して、適宜「共有設定」を済ませれば、ファイル共有が実現でき、その後の操作は一般のクラウドと同じだ。サーバーサイド暗号化や二要素認証については別途設定が必要となる。
ownCloud上で音楽を聴く(App導入)
ownCloudでプラグイン(Appと称する)をインストールするには、左上の[メニュー]から[Market]を選択、表示されたApp一覧から希望するAppを選び、選んだAppの右下に表示される[インストール]をクリックするだけでよい。今回は、「Music」「Media Viewer」「Text Editor」をインストールしたので、ownCloud上で、音楽や動画の再生やテキストファイルの編集などができるようになった。便利になったなと思ったが、複数のAppをインストールしたためか、Enterpriseへのアップデートを促すプロンプトが出るようになり、ちょっと煩わしくなったので、NextCloudへの移行を準備した。
ownCloud サーバーとクライアント
ownCloud Server は、Linux ディストリビューション パッケージ として、Debian,Ubuntu,Fedora,RedHat,CentOS,openSUSE などが用意されており、Docker 環境には ownCloud Server Docker Image が提供されている。また、ownCloud クライアントとして、Windows, Mac, Linux 用のデスクトップアプリケーション と iOS, Android 用のモバイルデバイス用クライアントがある。