ホームルーター中古市場
ホームルーターというカテゴリーの商品が、ソフトバンクから初めて発売されたのは、10年前(2014年12月12日)だったが、昨今の5G普及に伴い、市場は拡大、それに伴って中古ホームルーターも市場に多く出回るようになってきた。各キャリア(KDDIは「UQ WiMAX」)の中古機が、ヤフオクやメルカリで手ごろな価格で入手できるが、ホームルーター持ち込みでのホームWiFiサービス契約はできないキャリアも多く、対応SIMが限定されたホームルーターもあるため(ソフトバンクおよび楽天)、注意が必要だ。ここでは、このようなキャリアの提供するホームWiFiサービスではなく、キャリアのホームルーターを格安SIMで運用した場合のホームルーターの効能について紹介する。
ソフトバンク回線のみの山奥
キツネや熊の出る山奥(熊に会ったのは1度だけだが、キツネにはよく出会う)でもインターネットを欠かす訳にはいかず、ここ数年はデータ通信SIMとして「mineo-s(ソフトバンク回線)」を愛用している。ソフトバンク回線である理由は、建物の微妙な位置のためか…、KDDIと楽天の電波は全く掴めず、NTTドコモはなんとかつながるが激遅(※¹)という状態で、ソフトバンクのみが裏庭のホットスポットで、「良い時15Mbps~普通10Mbps~ダメな時3Mbps」でつながっていたからだ。モバイルルーターは、最近(2024年)まで「FS030W」を使っていて、「NCP-HG100」に浮気しても速度は同じだった。「FS030W」や「NCP-HG100」を使う理由は何かと言うと、mineoの「ゆずるね」対策として「タイマーで午後0時から1時間通信を遮断する」ためだ。「FS030W」は電池なしでも動くモバイル端末で、「NCP-HG100」は据置型だが、SIMが使えるルーター(LTEまで)だからだ。この結果、mineo「マイピタ20GB」の契約で「毎月40GB」を使わせてもらっている。さらに、夜間フリーが付いてくるので、LinuxディストロやWindowsのISOのダウンロードなどは夜間に行っている。ゆずるね対策は、「ゆずるね自動化マクロ(MacroDroid+TouchTask)」でも紹介しているが、”mineoからのお知らせ” などがpop-upすると設定に失敗するのでご注意あれ。
※¹ 同じdocomo回線でも、「店じまいの噂のある」OCNは激遅、このOCNからレンタルしているらしい「イオンモバイル・タイプ2」は普通に遅く、日本通信のdocomo回線ならある程度の速度が出るなど、いろいろだ。(この状態で遅いOCN系回線を維持しているのはグローバルIP確保のため)
ホームルーターの通信機能は秀逸
さて本題に入ると、2025年1月に、無線APをWiFi6にアップグレードするため、ソフトバンクの「Airターミナル4」(中古)をメルカリで入手(これはモバイル端末としては使えない)、WiFi6の無線APとして活用しながら、2月に UQ WiMAX の「Speed Wi-Fi HOME 5G L12」をヤフオクでゲットした。「Speed Wi-Fi HOME 5G L12」が mineo-s(ソフトバンク回線)で使えるかどうかは確信がなかったが通常のapn設定で接続できた。驚いたのは、あれほど遅かった山奥のネット環境(※²)が今までの倍から3倍以上という劇的な改善を示し、(当然5Gは来ていない…)LTEながら 40Mbps~60Mbps(USENスピードテスト)という都会並みの速度が出ていることだ。写真は通信速度インジケータが3/4を示している「Speed Wi-Fi HOME 5G L12」だが、この状態で40Mbps以上の速度が出ているのだ。ポータブルモバイルルーターとは設計思想も作りも部品も、アンテナも違うのだろうと再認識させられた出来事だった。
Speed Wi-Fi HOME 5G L12(スタンダードモード)
以上、mineo-s(ソフトバンク回線)でホームルータL12を活用した事例を紹介した。モバイルWiFiをお使いの方で、速度に不満がある方は、ぜひ試してみてください。
※² ネット構成は下記の通り。
Internet ― [Speed Wi-Fi HOME 5G L12(mineo-s SIM)](裏庭)――有線LAN――[5GHz無線AP(Airターミナル4)](屋内)・・・端末
プラスエリアモード設定
WiMAXのルーターである Speed Wi-Fi HOME 5G L12 を mineo-s(ソフトバンク回線)で使う場合、「プラスエリアモード」をどう設定すべきかについては、結論から言えば、どちらでもよいと考えている。理由は下記※³の通りで、NTTドコモやソフトバンク回線の場合は敢えて「プラスエリアモード」にする必要はなく、Modeランプも緑点灯でもオレンジ点灯でもよい。
※³プラスエリアモードは、WiMAXでKDDIのプラチナバンド(BAND18/26、BAND28)が使えるモードだ。KDDIのプラチナバンドのうち、BAND18/26 はKDDI専用だが、BAND28 は4社共通のプラチナバンドなので、ルーターがBAND28に対応している場合はKDDI以外でもプラスエリアモードに設定する必要があるが、Speed Wi-Fi HOME 5G L12(L11, L13も同じ)は BAND 28 (700MHz帯)にはハードウェアが対応していない。つまり、これらの機種では、スタンダードモードとプラスエリアモードの違いはBAND18を掴めるかどうかということとなり、BAND18 はKDDI以外では使われていないため、ドコモやソフトバンク回線ではプラスエリアモードにする必要はないと結論される。(楽天は少し違うかもしれない)
スタンダードモード: Band1,3; Band41; N78 を制限なく使えるWiMAXモード
プラスエリアモード: auのプラチナバンド(Band18/26)が使えるWiMAXオプション
プラスエリアモード規制: ONにすると、プラスエリアモードに入れなくなる。
(参考)<WiMAX> 2022年6月30日までは■WiMAX2+■と呼ばれており、Band41(2.5GHz帯)を使ったサービスだったが、現在は、■WiMAX +5G■と称し、WiMAX 2+回線(BAND41)⊕au 4G LTE(BAND1,BAND3)⊕au 5G(N78) を使った下り最大4.2Gbps のサービスとなっている。現行の WiMAX+5G でのプラスエリアモードはauのプラチナバンド(Band18/26)を利用するオプションとなる。