HP Thin Client T530 に正規OSをインストール、認証のうえ、サブマシンとして活用する方法

HP Thin Client T530 を入手

HP Thin Client T530 をヤフオクで入手し、HPの正規OSを導入の上、Thin Client としての設定を一部変更して、手ごろなサブマシンとして活用している。OSの導入にあたって、国内と国外に各1箇所、大変参考になったサイトがあったが、導入の手順を細かく記したサイトは見当たらなかったので、今後のために、今回実施した手順を公開しておく。なお、T530 に続き、コンパクトで使い易い T430も入手したが、T430はコンパクトであるが故に、メモリもストレージも基板直付けとなっている。ストレージは「Windowsモデル」で eMMC32GB(換装不可)なので、HP正規の Windows 10 Enterprise のインストールは可能だが、長く使っていくには不十分だ。また、容量の違う2種類のモデルがあるので注意が必要だ。(「Windowsモデル」メモリ4GB ストレージ32GB、「ThinProモデル」メモリ2GB ストレージ`16GB)

HP Thin Client T530
Gigabit LAN
3 x USB3.1 type A
1 x USB 3.1 type C
2 x USB2.0
2 x DisplayPort 1.2
DisplayPort over USB-C
HT Thin Client T430
Gigabit LAN
3 x USB 3.1 type A
1 x USB 3.1 type C
Display Port, HDMI
DisplayPort over USB-C
T530の上にT430を乗せたところ
大きさの違いがよく分かる
最上段は2.5インチHDD型外付けSSD

Thin Client おすすめサイト

各種Thin Client については、下記のサイトが非常によくまとまっている。

国内: 荒木武蔵のメモ置き場シンクライアント沼
海外: HP Thin Clients (parkytowers)
※ 荒木サイトには T430 Windowsモデル の記載がない。(記載漏れか

HP Thin Client T530, T430

T530 AMD GX-215JJ 1.5GHz
メモリ: DDR4 SO-DIMM 1スロット [4GB] 換装可能、最大16GB
ストレージ: M.2 2242/2260/2280 SATA 1スロット [32GB] 換装可能、最大64GB


T430 Intel Celeron N4000 1.1GHz
メモリ: Embedded 2GB/4GB [ThinPro/Win]
ストレージ: Embedded 16GB/32GB [ThinPro/Win]

T530 正規OS 導入の手順

1)シリアル番号 の確認
電源投入 ⇒ [Esc] ⇒ BIOS[システム情報]で 『シリアル番号』 を確認する。

2)製品名 と 詳細な製品名
HP公式サイトで、[シリアル番号]を入力すると、『詳細な製品名』 が表示される。
(筆者の場合 『HP T530 Thin Client (2DH82AA)』 だった。製品名は『HP T530 Thin Client』)

3)HP Thinupdate をダウンロードする
Webページ『HP Thin Client – HP ThinUpdate (Windows 11、10) をダウンロードする』 にアクセス、
この中の [HP ウェブサイトからHP ThinUpdateをダウンロードしてインストールする](青矢印で示した)をクリックして隠れた項目を表示させる。

開いた項目の『HP カスタマーサポート – ソフトウェアおよびドライバのダウンロード』リンク をクリックして指定ページへ飛ぶ。

飛んだ先のページ(↑※製品タイプ選択画面製品タイプ(デスクトップでもその他でも何でもよい)を選ぶと次の画面が表示される。

ここの[あるいは、シリアル番号、製品番号、または製品名を入力してください] 製品名 『HP T530 Thin Client』 を入力して

⇒ [すべて開く]をクリックすると、[OS-機能向上およびQFE (1)] Thinupdate が見つかるので、ダウンロードする。(ここに記した手順はスマートでなく、直接、製品タイプ選択画面にアクセスすれば簡単だと思われるが、HPはこのように指示している。また、指示通り入力しないと堂々巡りになるので注意が必要だ。)

4)Thinupdate を他の Windows機にインストールして実行する。

5)起動後、最上段の [Thin Client リカバリーイメージをローカルストレージ または USBドライブにダウンロードする] を選び、

t530を選択、イメージとして 「WinIoT 2016 LTSB Image 17WWETDJ601 Japanese (May 2020)」 を選んでUSBドライブを指定通り装着のうえ、「作成」をクリックすると、イメージの書きこまれた起動可能USBが出来上がる。

6)起動USBを、USB起動可能に設定した HP Thin Client T530 に装着して起動すると、OSが eMMCに書き込まれる。筆者の環境では、インストールの途中で、一度再起動したのち、Windows 10 Enterprise 2016 LTSB が立ち上がった。このバージョンのサポートは 2026年10月13日までなので、しばらく使えるね。

T530のWindowsを使い易くする

1)そのままT530を起動すると、ユーザー名「User」 での自動ログインとなるが、これでは権限がなく何もできないので、サインアウトして、Adminでログインする。(pswd同じ)
2)デフォルトでは変更が保存されないようになっている(UWF有効)ので、UWFを無効にする。( ツールバーの錠前アイコンをクリック)
3)Adminに代えて使うユーザーを作る。最近の Windows を素直に使うと、マイクロソフトアカウントしか作れないが、「control userpasswords2」 と入力して、従来からのツールを表示させれば、ローカルアカウントも作成できる。
4)Thin Client 故か、リモートデスクトップのサーバー機能が無効化されていた。無効化は安直な方法で実施されており、T530のファイヤーウォールへの「Block RDP TCP inbound」、「Block RDP UDP inbound」という受信規則の追加だった。ファイアウォール→[詳細設定]でこの規則を無効にすれば、RDPは普通に使える。
5)Windows updateも無効になっているので、必要に応じて有効化する。(レジストリ操作が必要。荒木武蔵のメモ置き場参照)
6)自動ログインが必要な場合は、コントロール パネル の「HP login Maneger」で簡単に設定できる。
<2025.1.17追記>超小型の内蔵スピーカーが本体に組み込まれているが、これが有効だと、Windows起動時にDisplayportからの音声出力に失敗するので、BIOSで無効にしておく。