ナビダイヤルには固定電話番号併記を、かけ放題を無効にしないで。(隗より始めよ「日本郵便」)

ナビダイヤルで「固定電話番号を隠さないで」

ナビダイヤル採用企業の問題点を11月30日の当ブログで指摘したが、12月8日のYahoo!ニュースにも取り上げられていたので、関心は広がっているものと思われる。Yahoo!ニュースの記事(『市役所の問い合わせ窓口は「ナビダイヤル」。通話料がかかるのになぜ導入されるのでしょうか?』)では、ファイナンシャルプランナーの方が、ナビダイヤルの功罪と採用企業の意図について述べているが、エンドユーザー目線では、ナビダイヤルの通話料(携帯電話からの着信)が問題で、「企業は固定電話番号を隠す必要はない」と考えていることを再度強調したい。以下、ナビダイヤルとそれ以前の問い合わせ方法での、消費者の負担する通話料を比較してみた。

ナビダイヤルでない、旧来の問い合わせでの通話料金

問い合わせは千差万別だが、ここでは、オペレーターにつながってから問題が解決されるまでに10分、オペレーターにつながるまでに10分待たされたと仮定する。この条件下での、旧来の問い合わせ通話料金は、企業および消費者がともに固定電話の場合、56円~0円となる。(固定電話から固定電話への問い合わせは8円×[20/3]で約56円、固定電話から0120などの無料通話なら0円)携帯電話からの問い合わせは、通常のキャリア料金で880円(22円×[60/30]×20)、(OCNなどの)割安の通話でもこの半額の440円と高額となる。高額故に、企業側も0120などの無料通話では携帯電話を除外していることが多いが、このことは賢い消費者には周知の事実だ。彼らは、かけ放題プランや楽天リンク、IP電話などで生活防衛していて、何分話しても、何分待たされても0円(完全かけ放題や楽天リンク)と固定電話からの問い合わせよりも安く済ませている。

ナビダイヤルでの問い合わせは一部携帯電話よりも高い

ナビダイヤルを導入している企業に、同じ条件で、問い合わせをした場合の通話料金を計算してみよう。ナビダイヤルは全国一律料金と謳っているが、固定電話からの通話と携帯電話からの通話では料金に大きな差がある。固定電話から利用した場合は、今回の条件で、約65円(9.35円×[20/3])と、今までとほぼ同じだが、携帯電話からの利用はかけ放題や楽天リンクが使えないため、今回の条件下で、660円(11円×[60/20]×20)と、OCNの携帯料金よりも高くなる。賢い消費者に選択肢なき値上げだ。企業が固定電話番号を隠すことなく、選択肢として残していれば、かけ放題プランや楽天リンク、IP電話などで防衛できる訳で、固定電話を隠すのは理不尽だと感じているのは私だけだろうか。

ナビダイヤルには固定電話番号併記を

Yahoo!ニュースの記事では、ナビダイヤルのメリットが何点かが挙げられている。すべてが企業側のメリットで、消費者には得るところはほとんどないが、テクノロジーの進歩に水を差す意図はない。当ブログから、NTTコミュニケーションズに問い合わせたところ、「ナビダイヤ導入で、固定電話番号が使えなくなるということはない(併用可能)」とのことだった。企業がコストカットなどでナビダイヤルを導入するに当たっては、固定電話も残した消費者ニーズに沿ったシステム作りを心がけるべきだろう。固定電話を併記している企業もあるので、このあたりは企業風土かもしれないが、昨今の社会情勢から、携帯電話のみの(固定電話を解約して、かけ放題を契約している)高齢者も多いので注意が必要だ。

Yahoo!ニュースの記事: 市役所の問い合わせ窓口は「ナビダイヤル」。通話料がかかるのになぜ導入されるのでしょうか?