APEC首脳会議(2024.11, ペルー)
アジア太平洋経済協力(APEC)は太平洋を取り囲む21の国と地域の経済協力の枠組みで、日本、韓国、中国、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、豪州、ニュージーランド、米国、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、ロシア、ブルネイ、パプアニューギニア、ホンコン・チャイナ、チャイニーズ・タイペイが参加している。2024年はペルーが3度目のAPEC議長(2008年, 2016年, 2024年)として、2月から3月にかけてリマで CPLG (Competition Policy and Law Group)会合が、11月14日~17日には同じリマでAPEC首脳会議が開かれている。このAPEC首脳会議の集合写真が、2024年11月16日に公表されたが、驚くべきことにそこに石破首相の姿が見当たらない。疑問を感じて報道を繰って知ったのが「石破首相の軽薄な対応」だった。
外交儀礼を失している
石破首相はAPEC首脳会議には出席していたが、集合写真ではその姿が見えない。米国のバイデン大統領がレームダック状態のなか、中国の習近平国家主席が会議の主役となり、ペルー現政権との密接な関係を誇示している…その中で、日本としても存在感を示すべき好機であるにも拘らず、首相はどこに行ったのか…と思ったら、現政権と対立するフジモリ元大統領の墓参りに出かけていたという。これはまずい。ペルー現政権からすると、日本は現政権を否定しているとしか感じられない。国際会議を開催中の政権に対してこのような無礼で非常識な態度(「あなた方の政権は支持しません」)は普通では取れない。「後ろから撃つ」と揶揄されている首相が外国でも本領を発揮したようで、軍事オタクを自認する首相が単に「国のため」と考えたとすると、浅はかで的外れな対応だ。外務省はどうして止めなかったのか、これも理解できない。