ガソリン暫定税率と、コメ価格、灯油高騰 ― “古くて食べられない(鈴木農水相)” 備蓄米に年間490億円投入の謎

野党はなぜ、ガソリン暫定税率(だけ)を特別扱いするのか

地方在住者の毎日の足となるのは理解はできるが、都民では何パーセントがガソリンを毎日消費しているだろうか。配達の車とか、(中小)企業活動に大きく影響することは分かるが、河野太郎氏の言う、「(燃費の悪い)フェラーリに乗る人が助かる」のでは、化石燃料の浪費推進にもなりかねない。ここまで大声をあげて、言うことだろうか。「物価高対策」というなら、他のものがある…と考えるのは私だけだろうか。

野党はコメ価格高騰に無関心

コメ価格は、一昨年と比べると軽く2倍になっている。小泉農水相の時には、これを引き下げるという声が挙がったが、現在の(子供顔をした)農水相は真逆の対応を取っている。しかも、それを(閣議に諮ったかどうかは知らないが)頻繁に発信している。これについては、立憲民主党, 国民民主党, 公明党のみならず、れいわや共産党に至るまで、反対を表明した投稿は見当たらない。毎日食べるおコメが、3年で2倍というのは異常だが、農水相は「(残った)備蓄米は古くて食べられない」と、かつての池田隼人総理大臣の「貧乏人は麦を食え」を彷彿とさせる、国民に対して無礼な発言をしている。米についての「野党のだんまり」は何なのだろう…何があるのだろう。

“古くて食べられない(鈴木農水相)” 備蓄米に年間490億円投入

農水大臣とも思えないこの発言「備蓄米は古くて食べられない」はどういう神経で言ったのだろう。百歩譲って、本当に食べられないとしたら、年間490億円もかけた「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(1994)に則った「備蓄」は税金の無駄遣いか。備蓄に際しては、「政府買い入れ(価格安定)」でJAなどのコメ流通業者、「倉庫で5年間保管(倉庫保管料)」で同じくJAなどの倉庫業者が、無視できない利益を得ているものと思われるが、実情はこんなところにあるのか。使われない備蓄米が、摂氏15℃という温度管理まで施したお高い倉庫に保管されているようだが、緊急時には(それが戦乱であっても)、グローバル化した現代では、輸入はできるのではないか。実際、ウクライナ戦争の最中でも、ウクライナは飢えていないし、小麦の輸出さえできている。つまり、輸出入ルートは健在と言うことだ。

灯油価格については触れる政治家もいない

日本の北半分(東北、北陸、北海道地方)で冬期に必需品となる灯油については、どの野党も触れていないが、ガソリン暫定税率廃止では価格は下がらない。補助金が減るので、むしろ値上がりするとした分析もある。80-90円/Lだった灯油が、現在では135円/L(補助金なしだと140円/L、配達)と、1.5倍以上、1.75倍にも高騰している。寒冷地では灯油は必需品で、使用量も多く、大変な負担(まる1日家にいると1週間で100L程度必要)となっている。さらに水道管凍結防止ヒーターの電気代(これも最近値上がりして月1万円近くになった)の追い打ちもあり、温暖な地方の人々にはその負担は想像できないだろう。

※¹「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(平成六年法律第百十三号)

※² 備蓄ナビ(備蓄米のシステムに詳しい)