年金制度改革にみる、フランスと日本の違い

フランス政府は、2023年1月10日、年金の支給開始年齢の繰り上げを柱とする年金制度改革案を発表した。詳細は フランス政府、年金改革案の骨子を発表(フランス) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ を見ていただくとして、骨子は「受給開始年齢を62歳から64歳に引き上げ」「満額受給に必要な就労資格を41年6カ月から43年に延ばす」ことのようだ。

「AFP BB News」から

これに対して、1月からフランス各地で抗議デモが発生、週ごとに激化して、3月7日には、フランス全土で、128万人(内務省発表)が参加する大規模な抗議デモとストライキとなった。France 2 (フランスドゥ)の報道では、デモ参加者の主張は、「自分は規定通り年金を掛けた.支給が遅くなるのは不当だ」、「リタイヤを楽しみにしている」、「いつまで働けというのか」、「支給開始年齢の引き上げは社会的に不公平だ若くして働き始めた庶民が犠牲になり、高学歴者に有利な改革と理解されている)」といったもので、日本でよく聞かれる『高齢者の生きがい』とか『働く意義』を持ち出す人は全くいない。

(※追記) NKH・BSでは、「クラシック倶楽部」と「ワールドニュース」がおすすめだ。ワールドニュースは、フランスドゥやBBCなど世界のニュース(現地時間で前日夕刻放送分)を同時通訳付きで放送している。同じ内容が日本のニュースで流れるのは、翌々日以降となるので、早めに情報が手に入るし、解説がないのでうるさくなく落ち着いてみることができる。